加害者は「もう充分に謝罪した」と言い
「いつまでも過去のことばかり言うな」と言う。
加害者にとっては本当にもう過去のことでしかない。
被害者の気持ちがわからないから
いつまでも痛んでいる加害者を疎ましくさえ思ってしまう。
傷つけられた側にとっては、いつまでたってもまるで昨日のことのよう。
ふとした時に生々しく甦るその痛み。
「忘れよう。忘れなければ」思えば思うほど
その呪縛の深みにはまっていく。
溺れたときは浮き上がろうとするのではなく
一度、思いっきり底に向かって沈むと
自然と体は水面に向かって浮き上がる。
そんなことを思い出した。
被害者=傷ついている人(1)を読んで感じたこと。